on the shore - オン・ザ・ショア

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2014.05.18 Sun

バンカーズチェスト1bankers chest / 銀行の書類ケース                                                幅.455 奥行.455 高さ.1560 mm                                              ¥200,000 + 税(8%)                                                     上海の銀行で使用されていた書類を入れる収納です。老上海時代には欧米の主要銀行も上海に進出しており、それらの建築はアールデコ様式のものも多かったようです。そういった銀行で使用されていたのでしょう。銀行の名前が入ったプレートが付いたまま残ったものもあるようですが、こちらは付いていないのでどこの銀行のものかを特定することはできません。                        引き出しの左右のフレームには引き出しの出し入れのストッパーがついているという、珍しい構造になっています。金具もしっかり備え付けられているため、セキュリティーも守られていたようです。引き出しの取手も削り出した木で作られており、当時の職人の手仕事がうかがえます。引き出しの奥行き、幅、高さが十分にありますので、様々なものを収納することが可能です。バンカーズチェスト2

バンカーズチェスト3

バンカーズチェスト4

バンカーズチェスト5

2014.05.13 Tue

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shanghai ART DECO sidetable / 上海アールデコ サイドテーブル 1920〜30年代                         幅.560 奥行.385 高さ.780 mm                                                 ¥80,000 + 税(8%)

上海アールデコのサイドテーブルです。取手や脚のデザインが1920~30年代に作られた、アールデコスタイルであることを決定づけています。特に脚部には背板がなく、脚がアールを描いてベースに繋がっているという、他では見かけないデザインがされています。この点も大きな魅力の一つでしょう。                                                    扉の中には3段の棚が付いていますので、書類や書籍などを収納することができます。どのパーツを切り取っても面白く、非常に雰囲気のあるサイドテーブルです。

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2014.05.11 Sun

ラウンドキャビネット 1

round cabinet / ラウンド キャビネット 1920~30年代 / 上海                                     幅.1150 奥行.505 高さ.935 mm                                                 ¥250,000 + 税(8%)

老上海(ラオシャンハイ)のキャビネットです。下部収納部分の正面から見て右側はアール(丸く)に、内側には棚板がついています。正面から見て左側の扉の中には、引き出しと2段の棚が、中央には引き出しが1段と大きな収納になっています。本体上部の棚はまるで茶室の違い棚のような設え。窓には竹がはめ込まれており、日本の様式としても解釈するできる、大変変わったデザインのキャビネットです。上海アールデコとは違い、日本と中国の、文化・機能が融合することによって生まれたキャビネットではないでしょうか。木の擦れ具合や取手の風合いなど、全体的の存在感と雰囲気は特別なものを感じます。

ラウンドキャビネット 2

ラウンドキャビネット 3

ラウンドキャビネット 4

ラウンドキャビネット 5

2014.04.22 Tue

goldmanFLOS「GOLDMAN」design by Ron Gilad

幅255 奥行80 高さ400mm ¥48,500-(税抜)

1800年代という、照明器具としては最も初期にデザインされた、当時は銀行で使用されていた「bankers lamp」が現代の解釈で生まれ変わりました。オリジナルはグリーンのガラスシェードに真鍮のベースで構成されていました。重厚感と存在感を伴い、かつ手元を照らすという銀行家達の仕事を支えるに欠かせない機能を持ち合わせた、アノニマスな名作として知られています。この「GOLDMAN」は、シェードをポリカーボネートに、本体・ベースをアルミに、光源をLEDにと、デザイナー:Ron Giladの手によって進化を遂げて登場です。

on the shore でも取り扱いをしております。

この照明はFLOSから今年の3月に発表されました。その情報を得た瞬間、僕の脳裏にある映像が蘇り、鳥肌が全身を駆け巡ったのです。そもそもの始まりは高校3年生の冬、今から17年程前、名作「セブン」を見た時に遡ります。※セブンについてはこちらを

定年を間近に控える刑事:サマセット(名優:モーガン・フリーマン)はダンテの神曲について調べ物をするために図書館へ出向きます。そのシーンでこの「bankers lamp」が十数台、暗い館内のデスクの上を照らしているのです。その光景たるや圧巻でした。それ以来、僕の頭の中からこの映像が離れることはありませんでした。

先程も書きましたが、このbankers lampはその名の通り銀行家たちのために作られたものです。緑色の光は目に優しいことからこの色なのでしょう。図書館のインテリアに使われたのもの納得できます。デザインはかなりの数存在するようで、買い付けの際上海でもたくさん見ました。租界時代には多くの欧米の金融機関が上海にも進出していたので納得できます。探して回りました。しかしながら、コピー品や劣悪なリプロダクトもかなり出回っているため、本当に古いオリジナルのランプはなかなか見つかりません。

そしてあきらめかけていた最後の仕入れ先を回った時。ついに、いままでいくつか見ていたものが本当のオリジナルではないということを決定づける、bankers lamp を見つけたのです。

bankers lamp originaloriginal「bankers lamp」unknown designers 1900~20’s

幅175 奥行175 高さ335mm ¥200,000-(税抜)

goldman shadebankers lamp original shade

ポリカーボネートとガラスのシェード

goldman basebankers lamp original base

アルミニウムと亜鉛合金、キャストアイロンのベースに真鍮カバーのベース。リプロダクトとの違いはこのベースとアームのクオリティー。goldmanはこのLEDの部分がスイッチで調光可能。

bankers lamp original switch

スイッチももちろん真鍮製。

lamp

また探したいですが、同じデザインではなくても古いものはなかなか見つからなさそうです。

追記

藤原ヒロシさんもブログでこの「bankers lamp」について書いていらっしゃいました。セブンの図書館での1シーンの画像も見ることができますね。興味深いプロダクトです。