on the shore - オン・ザ・ショア

2016. 8月 の記事

2016.08.17 Wed

夏休みを利用して京都府綾部市黒谷町の和紙職人 ハタノワタル さんを訪ねました。
黒谷町は古くから和紙の里として栄えた場所で、そこでつくられる”黒谷和紙“は京都府の無形文化財に指定されています。今では和紙を漉く職人さんが減ってきてしまったのですが、ハタノさんはその技術を受け継ぐ数少ない担い手の一人です。彼のすごいところは和紙を漉く技術を持っているだけでなく、和紙を使った製品作りや和紙を内装(床・壁・天井・テーブルの天板など。しかも内装工事も自身で行う)に使ったり、またアートや絵画に使ったりとマルチな才能と、それを様々な方法で表現をしているところではないかなと思っています。僕から見るとまるでマックス・ビル。
ハタノさんの工房はきれいな水の小川が流れる集落の一角にある古くからずっと和紙作りに使われていた建物。伺った時にちょうど、和紙の原料である楮(こうぞ)を機械で叩いているところを見ることができました。和紙を作る工程は多く、昔は家族で分業して作っていたそうですが、ハタノさんはその全てをお一人でやられているそうです。僕が見せていただいたのはほんの一部分だけですが、それを考えてもすごい仕事量。

ハタノワタル工房1

ハタノワタル工房2

ハタノワタル工房3

ハタノワタル工房4

ハタノワタル工房5

作業がひと段落した後、ご自宅のギャラリースペースで台湾のお茶をご馳走になりながら、茶器とお茶の関係について興味深い話を伺いました。中国茶器には大変興味があります。

楮を叩いている機械の動画を撮ってきたので是非ご覧ください。黒谷和紙の里に足を踏み入れた時、この音が遠くから聞こえてきたら、それはハタノさんが工房で作業をされているという合図かもしれません。

夏休みを終えて本日から営業を再開しました。通常定休日の明日18日(木)も営業しております。皆様のご来店をお待ちしております。